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ISO 55000シリーズとは?

ISO 55000シリーズとは、国際標準化機関ISO(International Organization for Standardization)でアセットマネジメントの国際規格を策定する専門委員会(TC251)において開発された一連の規格のことを指し、具体的には下記の3つの規格になります。
・ISO 55000 アセットマネジメント−概要、原則及び用語
・ISO 55001 アセットマネジメント−マネジメントシステム−要求事項
・ISO 55002 アセットマネジメント−マネジメントシステム−ISO 55001の適用のためのガイドライン
これらの規格は、2014年1月に発行されました。同じくISOから発行されているISO 9000シリーズ(品質マネジメントシステム)やISO 14000シリーズ(環境マネジメントシステム)と同じ、マネジメントシステム規格であり、要求事項を規定したISO 55001は、第三者機関による認証の対象となっています。

規格策定の経緯

ISOにおけるアセットマネジメントの国際規格化は、2009年に、英国規格協会(BSI:British Standard Institution)により提案されました。この提案を受けて、ISOにアセットマネジメントの規格策定のためのプロジェクト委員会PC251(PC:Project Committee)が発足し、ISOに定められた規格策定プロセスに従い、数度にわたる規格のドラフティング、メンバー国により意見の提出とそれに対応した修正を経て、2014年1月にISO 55000シリーズ規格が正式に発行されました。

PC251はその後、規格が策定されたら原則として解散されるプロジェクト委員会から、常設の専門委員会(TC:Technical Committee)へと移行し、発行された規格のメンテナンスや新たな規格の整備、アセットマネジメントの普及や発展に資する諸活動を行っています。
TC251の活動の詳細や最新の情報については、ISOのTC251ホームページ(https://committee.iso.org/sites/tc251/social-links/resources/japanese.html)をご参照ください。

規格の概要

ISO 55000シリーズは、アセットマネジメントの概要、原則と、シリーズ規格に共通して使用される用語を定義したISO 55000、組織が実施するアセットマネジメントのためのマネジメントシステムの要求事項を規定したISO 55001、そして、ISO 55001を適用するためのガイドラインを記載したISO 55002の3編からなります。

下の図は、ISO 55000シリーズにおけるアセットマネジメントに係る用語の関係を整理したものです。アセットマネジメントシステムの適用範囲内にあるアセットをアセットポートフォリオと呼び、それを適切に管理するものとしてアセットマネジメントシステムがあります。アセットマネジメントシステムが組織内で適切に機能することによって、アセットマネジメントが効率的・効果的に実施されることとなり、その結果として、組織のマネジメントが可能になる、という関係を示しています。アセットマネジメントシステムは、組織の目標を達成するためのアセットマネジメントを適切に動かす組織内の手段であり、道具であるとも言えます。

ISO 55000

また、ISO 55000では、アセットマネジメントの基本として、以下の4つの項目が挙げられています。これらは、ISO 55001の要求事項やISO 55002のガイドラインの中でもたびたび言及され、組織がISO 55000シリーズに沿ったアセットマネジメントシステムを導入する際には常に意識しておくべき事項であると言えます。
a) 価値:アセットマネジメントは、アセットそのものではなく、アセットが組織にもたらす価値に着目します。ここで言う価値とは、アセットの金銭的評価額のみに限らず、金銭的・非金銭的な価値、有形・無形の価値を含み、組織の目標に従って、組織やそのステークホルダーによって、決定されます。
b) 整合性:アセットマネジメントは、組織の目標を、技術的・財務的な決定、計画及び活動に変換します。アセットマネジメントのプロセスは、組織の中で単独で実施されるものではなく、アセットマネジメントのそれぞれのプロセスが一貫して組織の目標に沿っていることを確保し、さらに組織の中のほかのマネジメントシステムとも統合される必要があります。
c) リーダーシップ:アセットマネジメントを確立し、確実に運用、改善し、アセットからの価値を実現するために、リーダーシップと職場文化は必要不可欠です。このためには、組織内の役割、責任及び権限を示すこと、それを従業員が認識し、実行するための力量を有するとともに、権限を確実に与えられること、さらに、アセットマネジメントに関係する従業員とステークホルダーとの協議を実施することが必要です。
d) 保証:アセットマネジメントは、アセットが、組織の目標を達成するために必要とされる目的を満たすことを保証するものです。アセット、アセットマネジメント、アセットマネジメントシステムそれぞれが、必要な目的を果たしていることを保証することによって、組織を効果的に統率することが可能になります。
ISO 55001は、アセットマネジメントのマネジメントシステムに対する要求事項を規定したものです。ISOでは、ISO 9001(品質マネジメントシステム)やISO 14001(環境マネジメントシステム)、ISO 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)などのマネジメントシステム規格の整合化を図るため、共通の上位構造(HLS:High Level Structure)、共通テキスト(要求事項)、共通用語・定義を開発していますが、ISO 55001は、この上位構造に従った構成となっており、ほかのISOのマネジメントシステムと容易に統合することが可能です。

ISO 55001の目次構成(抜粋)

4  組織の状況
4.1 組織及びその状況の理解
4.2 ステークホルダーのニーズ及び期待の理解
4.3 マネジメントシステムの適用範囲の決定
4.4 アセットマネジメントシステム
5  リーダーシップ
5.1 リーダーシップ及びコミットメント
5.2 方針
5.3 組織の役割、責任、及び権限
6  計画
6.1 アセットマネジメントシステムのためにリスク及び機会に取り組む行動
6.2 アセットマネジメントの目標及びそれを達成するための計画策定
7  支援
7.1 資源
7.2 力量
7.3 認識
7.4 コミュニケーション
7.5 情報に関する要求事項
7.6 文書化した情報
8  運用
8.1 運用の計画策定及び管理
8.2 変更のマネジメント
8.3 アウトソーシング
9  パフォーマンス評価
9.1 モニタリング、測定、分析及び評価
9.2 内部監査
9.3 マネジメントレビュー
10  改善
10.1 不適合及び是正処置
10.2 予防処置
10.3 継続的改善

ISO 55000シリーズ規格は、日本規格協会から邦訳版が発行されているほか、要求事項の解説書をはじめとしたさまざまな関連書籍が出版されています。一例を「出版物(リンク)」のコーナーでも紹介していますのでご参照ください。

2017年3月現在、ISO 55001の認証取得組織はこちらをご覧ください。

アセットマネージャー国際資格検定試験(CAMA試験)