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1月9日 JAAMメールマガジン 第19号

一般社団法人日本アセットマネジメント協会 JAAMメールマガジン H31.1.9 発行

■今回の記事一覧

  1. コラム「規格をビジネスに活かす(5)」
  2. イベント情報
    • ○第3回アセットマネジャー国際検定試験(CAMA試験)の申し込み締め切り迫る
  3. アセットマネジメントシステム関連情報
    • ○ISO/TC251での公開資料のご紹介
    • ○ISO 55002:2018改訂概要のご紹介
    • ○GFMAMのプレゼン動画のご紹介

 

■【コラム】
規格をビジネスに活かす(5/最終回)

 EU(欧州連合)の基本思想である「単一市場」は、人・モノが欧州域内を自由に移動できるようにすることを目的とする。鉄道の分野では、否応なく「インターオペラビリティ」、即ち異なる国の線路上を列車が自在に運行できるようにする仕組みが追求され、そのための技術革新と国際標準化が加速した。技術革新というのは、無線を利用することで、列車制御の主役を地上設備から車両側へとシフトさせる技術の開発・普及である。これによって、線路をはじめとする地上設備システムと車両運行システムを分離する、いわゆる「上下分離」方式が可能となった。
競争政策のもと、「上部構造」である列車運行事業者或いは車両保有会社は、メーカーに対して構造規定ではなく性能規定を中心とした仕様書で発注するようになり、それを支援する目的で、Reliability(信頼性)、Availability(アベイラビリティ)、Maintainability(保全性)及びSafety(安全性)というRAMSの概念を導入する国際規格が制定された。メーカーは、これらの概念を具体的な数値目標に置き換え、プロセスアプローチに基づいて車両及びその制御システムを設計し、製造し、メンテナンスするというライスサイクルを通じた目標達成が求められた。メーカーは、信頼性やアベイラビリティ等が仕様書で規定された性能を満足することを、第三者機関が行う「認証」や「適合性評価」という形で証明しなければならない。典型的な「『我田引水』の評価方法」による国際標準化戦略といえる。
RAMS規格の適用が一つの要因となって、欧州の鉄道車両産業では淘汰と集約化が進み、カナダのボンバルディア、ドイツのシーメンス、フランスのアルストムがビッグ3として生き残った。ビッグ3は、この国際規格を武器に欧州域外へも進出した。しかし、その後2017年、鉄道車両で世界2位のシーメンスと同3位のアルストムは、事業を統合すると発表した。中国以外の市場で攻勢を強める世界最大の鉄道車両メーカー中国「中車」に、規模と開発力で対抗するためである。今は、鉄道システムの情報化規格をめぐって、欧州と中国との間でつば競り合いが行われているようである。
一方、グローバルに事業展開する日本「日立」の鉄道事業システムは、2014年度から2017年度にかけて売上収益年平均成長率49.8%を達成した。車両システム側の技術革新とそれによる事業の上下分離化、さらに国際標準が、IoTやデジタル化技術に長けた「日立」の競争力を後押ししたといえる。
ところで、鉄道事業会社が多くの技術者を抱える日本では、RAMSは事業者の社内規格とはなっても、国際規格のような社会共通のプラットフォームとなる素地がなかった。また、プラットフォームの欠如が、国際的に活躍できる産業育成の妨げとなってきたのではないか。水道事業等のPFI/コンセッション等に対して賛否様々な議論があるのはもっともであるが、そのなかでISO 55000シリーズをはじめとする規格の活用可能性について必ずしも十分な議論が行われていないのは、残念なことである。公共インフラのマネジメントの分野において民間ビジネスのチャンスを拡大するとともに、本邦企業のインフラ輸出を促進するため規格をいかに活用するか、JAAMが取り組むべき重要な課題と考えている。

【参考文献】
秋月将太郎他:鉄道インフラのグローバル市場動向と日本勢の展開、知的資産創造、2015年12月号、pp20-43
溝口正仁他:鉄道RAMS、(株)成山堂書店、2006年
アリステア・ドーマー:鉄道ビジネスユニット事業戦略、(株)日立製作所、2018年
https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2018/06/0608/20180608_05_rs_presentation_ja.pdf

(日本アセットマネジメント協会理事 藤 木  修)

■【イベント】
〇第3回アセットマネジャー国際検定試験(CAMA試験)の申し込み締め切り迫る
先月号でも紹介しましたがJAAMでは、第3回アセットマネジャー国際検定試験(CAMA試験)を
日程:2019年1月27日(日)
場所:東京、大阪、札幌
で実施いたします。

申込み締切が1月14日(月・祝)と迫っていますので、申込み忘れのないようお気を付けください。
※検定試験を受験するには過去に事前対策講習会を受講していることが必須となります。
https://www.ja-am.or.jp/cama/index.html

■【アセットマネジメントシステム関連情報】

○ISO/TC251での公開資料のご紹介
 TC251では、委員会のホームページを開設し、委員会の活動報告やアセットマネジ
メントに関する資料等を公開しており、JAAMも記事の執筆や邦訳等に協力しています。
 日本語で公開されている資料を以下の通りお知らせします。
 (URL:https://www.ja-am.or.jp/iso55000s/tc251.html

  • ISO 55001とISO 41001の連携は組織のパフォーマンスとクオリティオブライフをいかにして改善するか
  • なぜアセットマネジメントで「整合」なのか
  • 国連の持続可能な開発目標を達成する
  • 組織内の技術と財務のマネジメントの整合を改善する
  • アセットマネジメントのコンテクストにおけるアセットの管理

是非、ご参照願います。

○ISO 55002:2018改訂概要のご紹介 2018年11月に発行された、ISO 55002:2018の概要を、以下のURLにて 日本語で公開しています。
https://www.ja-am.or.jp/iso55000s/iso55002_2018.html
是非、ご参照願います。

○GFMAMのプレゼン動画のご紹介  GFMAM(Global Forum on Maintenance and Asset Management)のプレゼン動画を以 下のURLにて、日本語字幕付きでご紹介しています。  
https://www.ja-am.or.jp/news/2018/gfmam.html


 

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